【構造設計】余力をどのように設定する?過剰思考になっていない?

【構造設計】

建築構造設計のような工学に限らず、何かを判断するときにある程度の余力を持たせておくかということを考えると思います。

予算やスケジュールなど、なんでもピッタリが予測できれば良いですが、色々な不足な事態も発生するので、ギリギリばかりを狙って予測をすると予定が全部狂っていってしまうことになって、後に調整ばかりすることになってしまいます。

また予測の精度を上げることばかりを考えていると、そちらばかりに注力してしまって肝心の行動に移れないということになってしまっては本末転倒です。

かといって過剰に余力を設定していたら合理性を失うことになってしまいます。
スケジュールに余裕を持たせすぎると、本当は受けておくべき仕事も断ってしまったなんてことになってしまうこともありえます。

今回は余力の持たせ方はどのような考え方がよいのかを書いていきたいと思います。

今回のポイントは3つになります
①物事を単純化していく
②安全率に安全率が積み重なっていないか?
③1つに集約することが最適

①物事を単純化していく
当たり前のことかもしれませんが物事が複雑化していくほどに予測がしにくくなっていくので、余力も高めに設定する傾向になっていきます。

なので物事はできるだけ分解していって単純な項目にしていくという整理が必要になります

②安全率に安全率が積み重なっていないか?
単純な項目に分解して整理した後に、やりがちな失敗があらゆる部分で細かく余力を見込んでしまって最終的に積み上げていくとすごい余力が見込まれていると言ったことがあります。

例えば構造設計の中であれば、荷重設定に余力を1.1倍程度で設定、部材の耐力にも1.1倍、それを満足する建物の概算をする時に数量にさらに1.1倍といった形で安全率を見たとします。

各段階だけで見ると1割程度の余力を見ることに違和感はないですが、最終的には1.1の3乗になるので、約1.3倍もの余力を見ているなんてことになります。

まさかと思いますが、これは意外とやりがちな失敗の1つであると思います。
このような失敗をしないためには、一般的な歩掛といった数値感を常に意識しておくことが重要にもなります。

③1つに集約することが最適
あらゆる段階で余力を設定していってしまうと、最終的には誰もどんな余力を持ったものになっているのかがわからなくなってしまいます

コストや時間についてはできるだけ少なく済むように調整することが望ましいですが、どんな余力があるのかがわからないと、踏み込んだ調整もできなくなってしまいます

建築構造設計に引きつけて言えば、柱梁が大きく、躯体数量も増えて、空間としても不格好でコストも高いという最悪の設計になってしまいます。
建築構造設計だけで言えば、安全率は荷重部分だけに持たせておくことがシンプルでわかりやすい設定だと経験的には捉えています。

建築構造設計に限らずどのような物事においても、建築構造設計でいう荷重に該当するような、余力を集約する最適な項目があるものです。

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